アップルのアプリ手数料
アップルは3月から、EU域内の27カ国ではスマートフォン「iPhone」などで、外部のアプリストア経由でもアプリを取得できるようにする。今は自社のアプリ配信サービス「アップストア」に限定し、最大30%の手数料を得ているが、EUの巨大企業の活動を規制するデジタル市場法(DMA)に対応する。手数料も最大17%に引き下げる。
変更を受けて、スポティファイは自社サイトからiPhoneに直接アプリをダウンロードできるようにするほか、人気ゲーム「フォートナイト」を開発する米エピックゲームズは自前のゲームアプリストアを始める予定だ。
一方でアップルは、どのアプリストアを使う場合でも、年間のインストールが100万回を超えるアプリについては毎回0.5ユーロ(約80円)の技術手数料を新たに設ける。アップルは「対象企業は1%未満だ」とするが、スポティファイは「顧客獲得コストが10倍になる可能性がある」と見積もる。
スポティファイは「基本機能は無料で提供しているアプリや、消費者がアプリを削除し忘れただけの場合でも技術料を支払う必要があり、全ての開発者に打撃だ」と指摘する。エピックのティム・スウィーニーCEOも「アップルが関わらない配信に手数料を課すのはおかしい」とX(旧ツイッター)で声を上げた。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN160C80W4A210C2000000/