国債といえば、10年や20年など償還まで長期の期間を要するのが普通である。

しかし、元々はそれほど長くはなく、徐々に延長されていったようだ。

いまと違って永久債務がそれほど一般的ではなく、新税の大部分は4年、5年、6年、7年といった短期間だけのものであり、歳入予算の大部分はこれら新税の税収を担保とする見込み債務であった。

税収は限られた期限内に借り入れの元利を返済するには不十分なことが多かったので、赤字が生まれ、その穴埋めのために税の期間を延長する必要になった。

国富論第五編第三章 政府債務

しかしながら、短期間では元本まで返済できないので、結局、10年延長することになる。

そしてこの機会に、一般会計の中からいわゆる「減債基金」として税収を区別し、償還する財源を確保するようになったようだ。

1697年の法律で、いくつかの税の赤字をまとめて、第一次一般担保または第一次一般基金と呼ばれたもので返済することになった。

これは近く期限がくることになっていたいくつかの税の期間を1706年8月1日まで延長し、それらの税収を一つの一般基金にまとめたものである。

国富論第五編第三章 政府債務

しかし、市場金利が高いために税収は利払いに追われ、歳入が歳出を上回るいわゆるプライマリーバランスを達成するまで、まったく「減債」することはできなかった。

戦争が終わっても、戦争中に課された税が撤廃されることはなずない。

新たな税の大部分は、戦費として借り入れた資金の利払のために、担保として提供されているからだ。

以前からの財政収入に新税の新税の税収を加えて、債務の利子と政府の経常経費を支払った後にある程度の余剰があれば、おそらく債務を償還するために減債基金に繰り入れらるだろう。

国富論第五編第三章 政府債務

そして、アダムスミスが

「いまと違って」

と言ってるように、18世紀後半になると、利子だけを返済し、元本は返済する予定のない国債「永久債務」が一般的になったようだった。

1711年に、この時点ですでに四つの見込み債務の担保になっていたこれらの税と、それ以外のいくつかの税が無期限になり、南海会社に利子を支払うための基金になった。

南海会社はこの年、債務返済と赤字の穴埋めのための資金として、政府に917万7967ポンド15シリング4ペンスを貸し出しており、その時点では過去最大の融資であった。

国富論第五編第三章 政府債務

延長し続けた一般基金は無期限となって、政府の永久債務を引き受けたのは、「南海会社」である。https://ja.wikipedia.org/wiki/南海会社

ジョージ一世治世の1717年の法律で、その他いくつかの税が無期限になり、一般基金と呼ぶ基金にまとめられて、総額724万4849ポンド6シリング10.5ペンスの年金型国債の支払いにあてられるようになった。

これらの法律の結果、それまで短期の見込み債務の担保になっていた税金の大部分が無期限になり、それまで何度かの見込み債務で借り入れた資金の元本ではなく、利子だけを支払うための財源になったのである。

国富論第五編第三章 政府債務

一般基金にまとめられた税収は「永久債務」の支払いにあてられ、その債務の縮小のために、実質的に元本の償還のない「年金型国債」が発行されていた。

おそらく、この国債を所有する国民は、毎年5〜6パーセントの利息を年金として終身受け取れるというものだ。

主に、償還期限の迫った短期国債からの転換を狙ったものだった。


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