税抜き価格の表示は完全撤廃して欲しい
・・・贅沢品に対する税金で各人の負担が不公平になっても、不公平さをもたらす要因自体によって十二分に補われている。
各人はまったく自由意思に基づいて税金を負担しているのであり、課税対象の商品を消費するのかしないのかを自由に決められるのである。
したがって、そうした税金が適切な商品に適切にかけられていれば、どの税金よりも不満が少なくなる。
商人か製造業者が税を納付する場合、最終的に税金を負担する消費者はすぐに税金と商品価格とを区別できなくなり、税金を支払っていることをほとんど忘れてしまう。
国富論第五編第二章第二節第四項その2 消費財に対する税金
消費税が10パーセントに増税されたとき、たしか三年間は「外税表示」つまり消費税抜きの価格の表示のみで許されていた。
それまでは、完全に「内税表示」が義務付けられていたにもかかわらず、わざわざ移行期間として「外税表示」を許していたのだ。
移行期間が終わって「総額表示」つまり「消費税込みの価格」を目立つように表示することが義務になったことを知らない消費者も多いと思う。
しかし、商品価格を安く見せるために、わざわざ「消費税抜き」の価格を大きく目立たせようとする販売店もある。
消費税込みの価格表示があまりに小さくて、「違法じゃね?」と思えるほどだ。
税込価格と併せて税抜価格を表示するとは認められるが、この場合、税抜価格を「ことさら強調する」ことにより、 消費者に誤認を与える表示となるときは、総額表示義務を満たしているとはいえない。
事業者が消費者に対して価格を表示する場合の価格表示に関する消費税法の考え方(令和3年1月7日 財務省)
ちなみに、ぎりぎり合法。大手電気量販店に多いと思う。
以下は、違法
こういう、姑息な手段を使わなくても・・・
「商人か製造業者が税を納付する場合、最終的に税金を負担する消費者はすぐに税金と商品価格とを区別できなくなり、税金を支払っていることをほとんど忘れてしまう。」
のだから、税抜き価格表示は「完全に」やめて、総額表示一本にしてほしい。
軽減税率が云々といわれるかも知れないが、消費者はそんなことは「ほとんど忘れてしまう」のだから、生産者と販売店にしか関係ないのだ。
軽減税率の対象品目はたしか外食以外の食料品などのはず(アダムスミスのいう生活必需品か?)。
実際に、2パーセントが軽減されているどうか気にしている人はいるのだろうか・・・
インボイス制度(といっても知らない人が多いと思うが・・・)が導入される関係か、レシートには8パーセントの軽減税率の表示がされているのを見て「そういえばそういうのあったな」と思い出す程度ではなかろうか。
陰謀論はさておき、ヨーロッパの総額表示について参考になったサイト
実は欧州では、消費税(VAT)が小刻みに何度も引き上げられてきました。欧州はもともとインフレ気味な経済のため、物価の値上がりがインフレのせいなのか増税のせいなのか、消費者にとってわかりにくいまま増税ができるという事情があります。ここに、欧州が総額表示を導入した背景があったようです。
そして面白いことに、欧州では税率引き上げの日に一律一斉に小売店による税込み価格の引き上げが行われることもないのです。
https://diamond.jp/articles/-/267258?page=3