貧困層は子供が育てやすい!?

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貧困層は子供が育てやすい!?

これらの贅沢品の価格が上がっても、下層の人が子供を育てにくくなるとはかぎらない。

貧乏人のうち堅実で勤勉な人にとって、贅沢品に対する税金は一種の贅沢禁止法になり、簡単には買えなくなった贅沢品の使用を減らすか、まったく止めようと考えるようになる。

こうして、税金のために倹約を強いられた結果、おそらく子供を育てにくくなるどころか、逆に育てやすくなることも少なくないだろう。

・・・したがって、貧乏人向けの贅沢品の価格が上がれば、このようにだらしない家族がますます苦しくなり、子供を育てるのがもっと難しくなるだろうが、そのために役立つ国民の数が大きく減ることは、おそらくないだろう。

国富論第五編第二章第二節第四項その2 消費財に対する税金

たとえば、アメリカの貧困層は子供が多いと聞いたことがあるが、それは「生物学」の分野で生存本能として説明されるものと考えていた。

しかし、「経済学」の分野でも説明できるようだ。

すなわち、貧困層は労働で得た賃金から生活必需品を差し引いて残る部分(もちろん細やかではあるが)を、贅沢品に回すことは「できない」、もしくは意図的に「しない」で「倹約」するのである。

そして、その倹約によって生じる細やかな余裕分は、子供に対する労働力への期待、つまり、現在の消費ではなく「人的投資」に回すと解釈できるのではないだろうか。

そうすると、少子化の進む日本で云われている「子育てにお金がかかるので子供をもてない」という常識的通説が覆されるのである。


かつて我が国は「分厚い中間層」と云われた時代があった。

今の日本をみて、そういうことをいう人は皆無であろう。

そして、子供をたくさん育て、有用な労働に対する需要を賄うのは主に、貧乏人のうち堅実で勤勉な人である。

同上

今こそ「全国民が低所得層」という自覚をもって、こうあるべきではないだろうか。

ちなみに上記本文のリンクの先にある「貧乏人がみな堅実で勤勉というわけではなく・・・」からのくだりは、今の日本人が情けなさけなくなるので、あえて引用しない。

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