定常波

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定常波

(原理)ピアノの音は、木の箱の内部の弦(金属線)を叩いて振動させることによって1次元波の共振または共鳴とよばれる定常波による現象がおきる。この現象によって弦の定常波がコマを媒介して響板に共鳴し、空気の波(音波、進行波)が生じる。

音は圧力の変動の波である.(圧力の高いところと,低い ところが交互に生じる.)

弦は断面積が小さく,空気を振動させる(圧力の変化を生じさせる)ほどの力はないので,弦そのものからはほとんど音は発生しない.

音の伝わる速度(音速)は,空気中では毎秒340mである.温度が高いほど音速 は大きくなる.

音の強さ=音の大きさではない、圧力変動の幅のことで普通「音圧」で表わされる.これは前述の「圧力変動の幅」であり, 「音がないときの空気中の圧力=大気圧」からの音による圧力の変化分である. 

「音圧」そのものよりも,これを対数で表わした「音圧レベル」(単位 はデシベル,記号 dB)が用いられることが多い.これは,人間に音として聞こ える音圧の範囲が12桁にも渡る広範囲であるため,対数をとることで扱いやすく するという意味と,人間の感覚が刺激の強さの対数に比例する性質を持つことの 両方の理由による.


https://ja.wikipedia.org/wiki/定常波

波長周期(振動数または周波数)・振幅・速さ(速度絶対値)が同じで進行方向が互いに逆向きの2つの波が重なり合うことによってできる、波形が進行せずその場に止まって振動しているようにみえる波動のことである。定在波(ていざいは)ともいう。

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各点は同じ位相・周期で振動する。そのため全ての点の変位が0になる時刻および全ての点の変位が最大になる時刻が存在する。

媒質中の各点はそれぞれの位置に応じた振幅で振動する。

全く振動せず振幅が0になる点および振幅が最大になり変位が最も揺れ動く点が現れる。前者を(node)、後者を(anti-node)という。重なり合う2つの波の波長をλとすると、節および腹はそれぞれλ/2ごとに現れる。

腹における振幅は元の波の2倍になる。

各点の振動の周期は元の波と同じである。

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媒質(ばいしつ、medium)とは、波動が伝播するとなる物質・物体のことである。

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定常波の発生

定常波の原因となる互いに異なる方向に進行する2つの波は、同一の波源から発生していることが多い。

なぜなら、同じ振幅で同じ振動数の波源が自然に存在することは稀であるし、あるとしてもその波源から発生する波動が1次元波や平面波でないかぎり、2つの波源からの距離が異なる位置では減衰によって振幅が異なってしまい、定常波が発生しないからである。

1つの波源から定常波を発生させる2つの波動が発生する状況には以下のようなものがある。

反射波による定常波

波の進行方向に対して垂直な面で波が反射すると、もとの波(入射波)と進行方向が逆向きの反射波が発生する。

この入射波と反射波が合成することにより定常波が発生する。

進行方向に対して垂直な面とはすなわち波面のことである。

波面〜波がつたわっていくとき,同じ 振動の状態 (たとえば同じ位相 )の場所をつらねた面をいう。 波面が平面のときこれを平面波,波面が球面のときこれを球面波という。 波面と波の進行方向とはたがいに 垂直である。

したがって波面が形成される面に反射壁をつくることによって定常波を発生させることができる。


閉曲線上での定常波

閉曲線〜曲線の一つ。その上を一点が一方向に動いたとき、再び元の位置にもどるような曲線。両端が一致し連続している弧。円周、楕円など。

弦のような線上で波を発生させると、波源から互いに逆向きの2つの波が発生する。

波源〜水面波における水のように、波を伝える物質のことを媒質(ばいしつ、medium)という。 また、小石の着水した場所のように、波において最初に振動が起きる場所を、波源(はげん)という。

これを閉曲線上で行うとこれら2つの波はその閉曲線を半周した後にぶつかり合い、定常波ができる条件を整える。

ピアノの場合、ハンマーで最初に弦を叩いた場所が「波源」ということになる。

このとき、閉曲線の長さLが波長λ自然数倍となっていると、位相が各位置で一致するので安定した定常波を得ることができる。すなわち

\lambda _{n}={\frac  {L}{n}}

を満たすような波長λnをもつ波の場合のみ定常波ができる。 振動数をν、速さをcとすると

c=\nu \lambda

となる。したがって

\nu _{n}={\frac  {c}{\lambda _{n}}}={\frac  {nc}{L}}

を満たす振動数νnを閉曲線上に与えると定常波ができる。このνn固有振動という。

Lλの整数倍になっていなければ、位相がずれてしまうので互いに打ち消しあって、定常波は生成されない。


定常波による現象

共振・共鳴

1次元波または平面波において、進行方向に対して垂直な2つの壁面(端)をつくることにより共振または共鳴とよばれる現象がおきる。

1次元波〜最も基本的なものが正弦波である。その理由は,数学的表現が簡単であり,また,他の形の波はフーリエ級数とフーリエ積分によってすべて正弦波の重ね合わせで表せるからである。

この2つの端に挟まれた部分では、一方の端で反射された波が再びもう一方の端で反射される。この繰り返しにより振幅が非常に増幅された定常波ができる。

このとき、ある特定の波長をもつ波動の場合のみ安定した定常波を得ることができる。

そのため、特定の振動数でのみ振幅の大きな波をつくることができる。この振動数を固有振動数という。

固有振動数のうち最も小さな振動数の振動を基本振動といい、特に音波の場合基音という。この原理は楽器などに利用されている。

共振・共鳴においては、端が節もしくは腹となる。

より具体的には、固定端の場合は節、自由端の場合は腹となる。

したがって、固有振動数νnは端に挟まれた部分の長さLとある一定の関係式を満たすが、どのような関係式を満たすかは両端の種類(固定端か自由端か)に左右される。

ピアノの場合は固定端である。


両側固定端の場合の波長

両側とも固定端の場合、両端とも節となるので定常波を起こす波長λnは以下の関係式を満たす。

{\frac  {n\lambda _{n}}{2}}=L

したがって

\lambda _{n}={\frac  {2L}{n}}
\nu _{n}={\frac  {c}{\lambda _{n}}}={\frac  {nc}{2L}}

共振(共鳴)

共振(共鳴)は、エネルギーを有するが外部から与えられた刺激により固有振動を起こすことである。

特に、外部からの刺激が固有振動数に近い状態を表す。

共鳴はそのエネルギーが「音波」の場合に用いられる。

共鳴と同じ原理に基づく現象であるが、電気や固体については「共振」の語がよく用いられる。

共振の特性を表す無次元量としてQ値が用いられる。値が大きいほどエネルギーの分散が小さく、狭い振動数の帯域で共振する。

共振のシステムとして、振動する振り子が単純な例として挙げられる。振り子を押して系に振動を励起することにより、振り子はその固有振動数で振動を始める。振り子の固有振動に近い周期で振動を与えると、振動の振幅は次第に大きくなる。しかし、固有振動と大きく異なる周期で振動を与えると、振幅は大きくならない。


共鳴

振動体が、その固有振動数に等しい外部振動の刺激を受けると、振幅が増大する現象。

たとえば、振動数の等しいふたつの音叉の一方を鳴らすと、他方も激しく鳴りはじめる、という現象。

なお固有振動数の単位はヘルツ(Hz)である。

力学的共鳴

あらゆる物体には固有振動数(その物体にとって振動し易い振動数)がある。

外部から振動が与えられるとき、与えられる振動が固有振動数に近づくにつれ、物体の振幅が急激に増大する。この現象を「共鳴」または「共振」という。

遊具のブランコの、動きの調子に合わせて力を加えると次第に揺れが大きくなる様子が参考になる。

楽器発声にあっては、発音体(発音物質、リードなど)の振動がより大きな物体(筐体、共鳴腔)に伝わり共鳴することで、より人間が聞きやすい音に変化する。

すなわち、発音体単独の時よりも、聴覚上大きな音が得られる。これは音色の変化でもある。楽器によっては共鳴によって安定した音高を得ている。

アップライトピアノの場合は、響板という木製の板が、背面側(演奏者からは見えない、裏側)にあり、演奏者が鍵盤を押すとハンマーが動き弦がたたかれ、弦の振動にその響板が共鳴して音量を大きくしている。

グランドピアノの場合は、ボディの下の面(下にもぐりこんで、ピアノを見上げれば見える位置)に配置されている。

弦は響板に糊で接着された1つ以上のの上を越える。

弦は駒の位置で少し曲がり、圧力をかけるように導かれ、駒は響板に圧力をかける。

弦の振動は響板へと伝達され、響板の振動は音として空気中へ放出される。

空気中に生み出されるは弦だけの音よりも何倍も強い。

したがって、音に関して決定的な役割を担うのは木材の品質、正確な駒の圧とアーチ形の部分であり、これらはピアノ職人が長年の経験と伝統から真っ先に獲得するものである。


駒 (弦楽器)

(こま)またはブリッジ(Bridge)とは、弦楽器においてを楽器本体に接触しない位置で保持し、弦の振動を効率よく共鳴胴または響板に伝える部品である。

また、弦の振動長や位置を一定に保つ役目も果たす。

通常、弦楽器の弦の一端は緒止め(弦を固定する部分)であり、もう一端は糸巻き張力を加減する軸)であるが、それらは必ずしも、弦の振動端として適切ではない。

したがって、緒止めと糸巻きの間に、弦の振動端としてより適切な構造として駒を置く。

ピアノの場合は低音部と中高音部の2つに別けてカエデの長い一枚板を響板に固定している。 (交差弦方法と呼ばれる。)

響板と駒の写真。駒の主要材料はカエデです。駒の上面には駒釘が並び、弦が掛けられます。

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