大改鋳(イギリス)
https://ja.wikipedia.org/wiki/大改鋳
https://en.wikipedia.org/wiki/Great_Recoinage_of_1696
銀の流出と貨幣の劣化に対応するために行なわれた貨幣改鋳で、ウィリアム3世とメアリー2世が即位した後の1690年代後半から実施された。
通貨の価値低下と銀の流出
貴金属製の貨幣が使用される国々では、金銀を削り取って貯め込み、それを鋳造所に売って新品の貨幣を入手していた。
厳罰を科されても儲けが多く後を絶たないため、削り取り防止のために、貨幣の縁に溝や銘刻を入れる工夫は、造幣局の職人たちの抵抗により進まなかった
16世紀前半にメキシコやペルーの銀山からもたらされた大量の銀によって銀の価格が下落した一方、インドでは銀が高値となっていたことから、銀の海外流出が止まらず、1690年代前半には銀貨が不足するようになった。
銀貨を媒介とした取引は実際に含まれる銀の量で行われるため、通貨が額面よりも10%以上減価し、通貨の流通不足によって入手困難となると、物価の上昇を引き起こした。
そして、銀貨改鋳が実施されるという噂が流れ始めると、国民は自分の資産の価値を守るために、銀貨をギニー金貨へと交換するようになった。