働くことの原則

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働くことの原則

誰にとっても、できるかぎり楽に生活することが自分の利益になる。

そして、苦しい義務を果たしても果たさなくても報酬がまったく同じであれば、義務をまったく怠るのが、誰にとっても利益になる。

何らかの権力の支配を受けていて義務を怠るのが許されないのであれば、許容される範囲でできるかぎりいい加減に義務を果たすのが、誰にとっても利益になる。

根っから活動的で仕事を好む人なら、努力しても何も得られない義務を果たすために働くより、何か利点を得られる方法で努力する方が利益になる。

 国富論第五編第一章第三節第二項青少年教育のための機関の経営

仕事が好きな人でも、何も利益がないよりは、利益以外の利点があった方がいい。

その利点とは、その人が仕事をする意義を感じられる有形・無形の何かであろう。

無形のもの、精神的なものとしては、「マズローの5段階の欲求」に訴えるものが考えられる。


例えば・・・

(1) 生存欲求

仕事を続けることで健康維持でき、健康寿命が伸びることを期待する。

(2) 安全欲求

会社に雇用されることで、有利な福利厚生が約束され生活の安定が保障される

(3) 社会的欲求

他人のために仕事することで、社会的なつながりができ、感謝の言葉による喜びや、自分が困難なときに支援の手が差し伸べられる。

(4) 承認欲求

仕事の成果によって社会に多大な貢献をし、社会的地位と名誉が得られる。

(5) 自己実現欲求

上記、生活の実質的な安定や周囲からの評価とは異なり、その仕事をすることによって、自分が思い描く夢や希望を満足させる、もしくは成長によって近づいていることが実感できる。


現代のように自由と民主主義が実現し、物質的・精神的にも成熟した資本主義社会において、生産性を向上させ社会資本の増加に資するためには、(5)自己実現欲求に働きかけるのが最も効果的であろう。

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