印紙税と登録免許税

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印紙税と登録免許税

印紙税と登記税という課税の方法は、ごく最近に発明されたものである。

だがわずか1世紀余りで、ヨーロッパのほとんどの国でも印紙税が使われるようになり、登記税もごく一般的になった。

国富論第五編第二章第二節第1項と第二項への付録 土地、住宅、資本の価値に対する税

資金の貸借によって資本や動産を移転する取引は秘密にされる場合が多いし、いつでも秘密にすることができる。

したがって、直接に課税するのは難しい。

そこで、二つの方法を使って間接的に課税されている。

第一は、返済義務を規定した債務証書に印紙税を納めた用紙か羊皮紙を使うよう義務づけ、印紙税を納めていない場合には債務証書を無効にする方法である。

第二は、公開か非公開の登記を義務づけ、登記に一定の税をかけて、登記していない場合には債務証書を無効にする方法である。

印紙税と登記税は、あらゆる種類の遺産を相続するか遺贈されるときや、不動産の所有権を移転するとき、つまり直接の課税が容易なときにも使われることが多い。

国富論第五編第二章第二節第1項と第二項への付録 土地、住宅、資本の価値に対する税

印紙税と登録免許税は資産の取引にかかる「間接税」としの役割をもつ。

土地の売却に対しては間接的に課税する方法もあり、印紙税か登録税が使われる。

イギリスでは、印紙税の税額は移転される資産の価値で決まるのではなく(債務証書では金額がいくら多くても、印紙税は1.5シリングか2.5シリングであり)、証書の性格によって決まる。

もっとも高い場合でも、用紙または羊皮紙1枚あたり6ポンドを超えることはない。

そして税額が高い場合にも、主に国王の認可法手続きのためであって、資産の価値とは無関係である。

証書や契約書の登記に対する税金はなく、登記を扱う役人に対する手数料があるだけであり、手数料も役人の労働に対する適切な報酬を超えることはまず兄。

登記に関して、国王が収入を得ることはない。

国富論第五編第二章第二節第1項と第二項への付録 土地、住宅、資本の価値に対する税

イギリスの印紙税と登録免許税は、資産の価値に比例していないことから、資産の価値つまり「資本の利益」をその源泉とする税とはいえない。

担保権をはじめ、不動産に対する各種の権利の登記は、貸し手と買い手に大きな保証を与えるので、社会にとってきわめて役に立つものである。

他の種類の証書の大部分では、登記は本人にとって不都合だし危険ですらあるうえ、社会にとっての利点がない場合が少なくない。

国富論第五編第二章第二節第1項と第二項への付録 土地、住宅、資本の価値に対する税

ただし、不動産に対する各種の権利の登記は、その権利者にとって権利を保証するものであるとともに、取引する相手の信用も得られるため、社会にとってきわめて役に立つものである。

つまり、国の財政収入としての税金ではなく、資産の取引の安全を確保するための行政事務を行う公務員の事務手数料という性格をもつ税金と考えるのが妥当である。

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