ターレスって誰っす?
古代ギリシアのターレス(Θαλῆς, Thales, 紀元前624年頃 – 紀元前546年頃)は、ギリシア初期の哲学者、数学者、天文学者として知られています。彼は、自然哲学の創始者とされ、「西洋哲学の父」と呼ばれることもあります。ターレスはイオニア地方(現在のトルコのミレトス)出身で、ミレトス学派の代表的な人物です。
なんと、「西洋哲学の父」と呼ばれるほどの立派な偉人でした。
ターレスの業績として最も知られているのは、万物の根源を「水」と考えた点です。彼は、自然界の現象を神話的な説明ではなく、自然そのものの要素や原理によって理解しようとしました。この考え方は、哲学における自然の探求の端緒となり、後の哲学者たちに大きな影響を与えました。
また、ターレスは数学や天文学でも重要な業績を残しています。特に、幾何学では「ターレスの定理」として知られるものを発見し、天文学では日食の予測にも成功したと伝えられています。
ターレスの定理?初耳ですが
ターレスの定理とは、古代ギリシアの哲学者ターレスに由来する幾何学の定理のことです。主に2つの定理が「ターレスの定理」として知られていますが、一般的には次の2つがよく言及されます。
1. 円周角の定理
円の直径に対する円周角は常に90度(直角)になるという定理です。具体的には、円の直径の両端を結ぶ弦と、円周上の任意の点を結んでできる角度が直角になるというものです。
図解:
- 円の中心をOとし、直径をABとします。
- 円周上の任意の点Cから、AとBに線を引きます(三角形ACBが形成されます)。
- このとき、∠ACB(円周角)は常に90度になります。
2. 比例線分に関する定理
平行な2つの直線が、ある三角形の2辺を横切るとき、横切られた2辺は比例する、という定理です。これは相似な三角形の性質を利用したもので、図形の相似を扱う際に頻繁に使われます。
図解:
- 線分ABに平行な線が、三角形の2辺ACとBCをそれぞれDとEの点で横切るとします。
- このとき、AD/DB = AE/EC という比例関係が成り立ちます。
重要性
ターレスの定理は、古代から現代まで広く使われている基本的な幾何学の定理です。特に円や三角形の性質を理解する上で重要で、測量や建築、天文学など多くの分野で応用されています。
彼の思想は、後のピタゴラスやアナクシマンドロスなどのギリシア哲学者たちに引き継がれ、古代ギリシアの哲学・科学の発展に大きく寄与しました。
当たり前のように数学に出てくる、円周角と相似の問題でした。