古代ギリシアに関する著作
ソロンやペイシストラトスに関する記録や言及は、古代ギリシアの歴史家や哲学者の著作の中に数多く見られます。彼らの政治的活動や影響について述べられたその他の重要な著作をいくつか挙げます。
1. クセノポン(Xenophon)の『ギリシア史(ヘレニカ)』
- クセノポンは、ソロンやペイシストラトスの時代よりも後の歴史家ですが、彼の著作では古代ギリシアの政治や社会の背景が詳しく述べられており、彼らの政治的活動を理解するための補足的な資料として役立ちます。原著は全7巻で、トゥキュディデスの『戦史』を引き継いで、紀元前411年から紀元前362年までの約50年にわたるギリシアの各ポリスの動向を扱っている。
2. トゥキュディデス(Thucydides)の『戦史』
- トゥキュディデスは主にペロポネソス戦争について書いていますが、彼の歴史書の中には、アテナイの政治的変遷についての記述もあり、ソロンの改革やペイシストラトスの統治がアテナイ社会に与えた影響に言及しています。彼は主に戦争や権力の視点から社会を分析しますが、それを理解するうえで重要です。
3. デモステネス(Demosthenes)の演説
- 古代ギリシアの政治家であり弁論家であったデモステネスは、アテナイの政治史にしばしば触れています。特にソロンの改革やペイシストラトスの僭主制に対する評価は、後の政治家や哲学者に影響を与えたとされています。デモステネスの演説は、アテナイの民主主義の歴史を知る手がかりとなります。
4. イソクラテス(Isocrates)の『パナテナイコス』
- イソクラテスも、古代ギリシアの政治について多く論じた演説家です。彼の著作にはソロンの法律や改革に対する言及があり、アテナイの伝統や政治の変遷について語っています。
5. ディオドロス(Diodorus Siculus)の『歴史叢書』
- ディオドロスは、ギリシアやローマの歴史を記した歴史家で、彼の著作にはソロンやペイシストラトスの時代のアテナイに関する記述も含まれています。彼は幅広い時代の歴史を扱っており、後世の歴史家として、彼らに関する追加的な視点を提供しています。
6. ポリュアイノス(Polyaenus)の『戦略集』
- ポリュアイノスは、戦争や戦略について書いた著作家で、彼の著作にはペイシストラトスがどのようにしてアテナイで権力を掌握したかという戦術に関する記述があります。彼の僭主政治の確立における戦略的な側面が強調されています。
7. ディオゲネス・ラエルティオス(Diogenes Laërtius)の『哲学者列伝』
- ソロンは政治家でありながら、哲学者としても評価されています。ディオゲネス・ラエルティオスは、古代の哲学者たちの生涯や思想をまとめた著作家であり、彼の著書の中でソロンの哲学的側面に言及しています。
8. アウルス・ゲッリウス(Aulus Gellius)の『アッティカ夜話』
- このローマ時代の著作家は、古代ギリシアやローマの歴史や逸話を集めています。彼の著作にはソロンやペイシストラトスに関する興味深い逸話や逸話的な記録が含まれています。
9. タキトゥス(Tacitus)の『年代記』
- 主にローマ史を書いたタキトゥスですが、アテナイやギリシア世界の政治についても触れています。ソロンやペイシストラトスに関する直接的な記述は少ないですが、ギリシアの政治文化を知る上で参考になる点があります。
まとめ
ソロンやペイシストラトスに関する著作は、直接彼ら自身が書いたものよりも、後世の歴史家や哲学者による記録が大半を占めています。上記の著者たちの記録は、それぞれの視点や時代背景から彼らを描写しており、彼らの業績や影響を多面的に捉えることができます。