グレン・グールドの集まり
翻訳すると何ともそっけない、グレングールド・ギャザリング
2017年、故坂本龍一がキュレーター(発起人?)となってカナダ大使館で開催された有料の催しだったようです。
興味深かったのは、坂本龍一の回顧録
ぼくは夢中になるととことん真似をしたくなる人間なので、すぐにピアノの弾き方も猫背になり、指に顔を近づけてうなりながら弾くようになった。ピアノの先生にはすごい剣幕で「背中を伸ばしなさい坂本くん!」と叩かれました。
「グルードファンあるある」ですね。今度ぼくもピアノ教室でやってみようかな
次の姿勢に関する解説もわかりやすかった。
また、ああいう猫背での演奏は、演奏的にはまず大きな音が出にくくなる。背筋をまっすぐにして上から腕を伸ばしているほうがバン!と大きい音を鳴らしやすくなります。猫背で弾くと、演奏中ずっと肩から腕まで力が入っている状態で、しかも肩をすくめているような形。肩は凝るし腰も痛くなる。その代わり指先を近くからじっと見ているので、指と脳が直結したような感覚になるのでしょう。逆に姿勢をよくして目と指の距離が離れると、そのぶん、自分の演奏も客観的に見られて指を道具的に使えるというのかな、そういう感覚になる。どちらがよいとは言えませんが、明らかに演奏に違いは出ると思います。
猫背になると、肩や腕に力が入って肩が凝りやすくなる。そして指先に神経を集中し、脳を使って指の運動をする、まるでキーボードで文字を打つ職場でのパソコン作業のようだ。成果が視覚による映像か、聴覚による音声かの違いだ。
ピアノの演奏、本来は緊張せずに、もっと気楽に弾いていいモノではないのだろうか。