グラムロック
グラムロック(Glam Rock)は、1970年代初頭にイギリスで誕生したロックのジャンルで、派手なファッション、メイク、そして華やかなパフォーマンスが特徴です。このジャンルは、音楽的にはロックンロールやポップを基盤にしつつ、視覚的なスタイルに強く焦点を当てました。
特徴
- ビジュアル: グラムロックは、その華やかで派手なファッションで知られています。アーティストはしばしば派手な衣装、メイク、プラットフォームシューズを身に着け、性別の境界を曖昧にすることが一般的でした。
- 音楽: サウンドはシンプルでキャッチーなロックンロールに基づいており、しばしばシンセサイザーやエレクトリックギターを多用しました。歌詞はファンタジーやSF、性的なテーマを扱うことが多かったです。
- パフォーマンス: ライブパフォーマンスは視覚的に派手で演劇的な要素を含み、観客を楽しませることを重視しました。
主なアーティスト
- デヴィッド・ボウイ (David Bowie): グラムロックの象徴的存在。特に「ジギー・スターダスト」として知られるキャラクターで有名です。アルバム『The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars』はグラムロックの金字塔です。
- T・レックス (T. Rex): マーク・ボランが率いるバンドで、シンプルでキャッチーなロックサウンドが特徴です。「Get It On(Bang a Gong)」などのヒット曲で知られています。
- ロキシー・ミュージック (Roxy Music): ブライアン・フェリーとブライアン・イーノが率いたバンドで、グラムロックのビジュアルとアートロックの要素を融合させました。
- スレイド (Slade): パーティーアンセムで知られ、キャッチーなフックとエネルギッシュなパフォーマンスが特徴です。「Cum On Feel the Noize」などがヒットしました。
- スウィート (Sweet): グラムロックのポップサイドを代表するバンドで、「Ballroom Blitz」などのヒット曲を持っています。
影響と遺産
グラムロックは短命なムーブメントでしたが、その影響は広範で、後の多くの音楽ジャンルやアーティストに影響を与えました。特に、パンクロック、ニューウェーブ、ゴシックロックなどのシーンにおいて、そのビジュアルスタイルやパフォーマンスの要素が取り入れられました。
まとめ
グラムロックは1970年代初頭の音楽シーンにおいて、音楽と視覚の融合を革新的に進めたジャンルでした。デヴィッド・ボウイやT・レックスなどのアーティストを通じて、ロックの枠を超えたアートとしての音楽表現を追求し、その影響は今なお多くのアーティストに受け継がれています。