トゥキュディデス
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トゥキュディデス(Thucydides)は、古代ギリシアの歴史家であり、紀元前5世紀から4世紀にかけて活躍しました。
彼の最も著名な著作は、「戦史」(”History of the Peloponnesian War”)として知られる、ペロポネソス戦争の記録です。この戦争は、紀元前431年から紀元前404年までの間、アテナイとスパルタを中心とするギリシアの都市国家同士の間で行われたもので、古代ギリシアの歴史において非常に重要な出来事でした。
トゥキュディデスはその時代を生きた当事者ではなく、ペロポネソス戦争の後半の出来事については自身の目撃ではなく、取材に基づいて記述していますが、彼の記録は非常に詳細であり、その分析力と客観性が高く評価されています。
トゥキュディデスは、歴史の中で人間の行動と国家間の関係についての法則性を追求し、その中で彼自身の見解や考察を示しました。そのため、彼は歴史家としてだけでなく、政治学や国際関係の分野でも影響を与えました。
『ペロポネソス戦争の歴史』(”History of the Peloponnesian War”)
古代ギリシアの歴史家トゥキュディデスによって書かれた、ギリシア世界におけるアテナイとスパルタの対立を中心にした戦争の記録です。以下は、その内容の要約です:
- 序論: トゥキュディデスは、戦争の起源について説明し、ペロポネソス戦争が紀元前431年に始まった背景や原因について述べます。
- 戦争の初期段階: アテナイとスパルタの間で戦争が勃発し、最初の数年間の戦闘や外交交渉について記述されます。
- アテナイの遠征: アテナイはシチリアへの遠征を試みますが、失敗に終わります。この遠征はアテナイの力を大きく削ぐことになりました。
- スパルタの優勢: スパルタはペロポネソス同盟を率い、アテナイに対して優位に立ちます。アテナイは内部で政治的混乱に見舞われ、スパルタとの戦いで多くの挫折を経験します。
- ペロポネソス戦争の終結: 紀元前404年、アテナイはスパルタに降伏し、戦争は終結します。アテナイは多くの損失を被り、その覇権は終わりを迎えます。
トゥキュディデスは、戦争の政治的、軍事的、および社会的側面について詳細に報告し、当時の指導者や事件に対する分析も行っています。彼の記録は客観的であり、歴史的な出来事を理解するための貴重な資料として広く評価されています。