手工業と工場生産の価値

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手工業と工場生産の価値

機織は機織たる具体的形態に於いてでなく、人間労働たる一般的性質に於いて、リンネルの価値を形成するという事実を言い現すためには、リンネルの等価を生産するところの裁縫なる具体的労働が、抽象的人間労働の明瞭なる体現形態として機織に対立して来るのである。

上衣の製造方法において、裁縫作業という手工業、機織という機械を使って作る工場生産とで価値の違いはあるのか?

裁縫作業は明らかに、具体的な労働といえるが、機織を使った工場生産は人間の具体的労働とはいえず、抽象的労働としか見えない。

ただし、リンネルの等価形態としての上衣の価値は、結局は抽象的な労働として認められるものである。

そうであれば、生産方法が具体的労働と抽象的労働というように異なったとしても、価値の違いは変わらないと考えるのが妥当である。

なぜなら、上衣の価値は交換対象である反対物のリンネルに現れているので、その交換比率に変化がない以上、価値に違いはないからである。

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