リンネルの価値を表す上着の価値

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リンネルの価値を表す上着の価値

リンネルの価値表章を通して見られる裁縫の有用性なるものは、この労働に依って衣服随ってまた人のミナリが造られるという点に存するものでなく、むしろ価値たること、随ってまたリンネルの価値に対象化されている労働から毫も区別し得ざる労働の凝結たることを認めしむる一の物体が、それに依って造られるという点に存しているのである。

斯様な価値鏡となるためには、裁縫それ自身が人間労働たる抽象的性質以外の何物をも反射しないことを必要とする。

資本論第一巻第1篇第一章第三節一(3)等価形態

上衣は、リンネルを材料として、裁縫という労働によって造られる。

当然、上衣には原材料となったリンネルの価値は存在している。

したがって、リンネルと上衣の価値の違いは、裁縫という労働しかない。

上衣の価値は、上衣という商品形態の持つ抽象的な「使用価値」と考えたが、それでは、リンネルの価値まで含めて認めることになる。

しかし、リンネルと交換する場合の上衣の価値は、原材料のリンネルの価値を控除すべきである。

よって、等価形態としての上着の価値は、裁縫という抽象的な労働の価値に見出すべきである。

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