既得権益、語るに落ちる
砂糖に対する新たな税金が提案されると、砂糖農場主は、そうした税金がすべて生産者の負担になり、消費者に転嫁できないと主張することが多い。
新たな税金がかかったとき、砂糖の価格を引き上げられたことがないというのだ。
税金をかける前に、砂糖の価格は独占価格になっていたようだ。
砂糖が課税対象として不適切であることを示そうとした主張がおそらくは逆に、適切な課税対象であることを証明している。
国富論第五編第二章第二節第四項その2 消費財に対する税金
砂糖農場主の主張によれば、砂糖の価格を引き上げなくても、新たな税金の負担分を通常の利益で吸収できていたということになる。
つまり、砂糖農場の「通常の利益」は、他の土地生産物の通常の利益率よりも高い「独占価格」によって得られていたということを主張していることになるのだ。
新たな税金に対して価格を引き上げなければ利益率が低下するので、他の土地生産物を耕作する通常の土地の地代と利益になる。
同じように肥沃で良く耕作されている土地の利益率に近づき、公平な税負担として適切な課税対象といえるだろう。