なにげに読み飛ばすところだが・・・
イギリスでは18世紀に蒸留酒にさまざまな税金がかけられてきたが、労働の賃金に影響を与えたとはみられていない。
強いビール1樽あたり3シリング(0.15ポンド)の増税によって黒ビールの価格が上がったが、ロンドンの下層労働者の賃金は上昇していない。
増税前には日給が18ペンスから20ペンスだったが、現在も高くなっていない。
国富論第五編第二章第二節第四項その2 消費財に対する税金
アダム・スミスの云わんとする意図とは違うけれども、日本人として注目したいのは・・・
イギリスでは、18世紀つまり1700年代にすでに「労働の賃金」という概念が存在し、増税による影響という「統計」がとられていたという驚きの事実である。
1700年代といえば、日本は江戸時代、鎖国の時代である。
農民が藩主(領主)に年貢米を「物納」していた時代である。
このイギリスの統計による施策の実施についは、「資本論」(19世紀中頃)でカール・マルクスが言及しており「プロイセン」(旧ドイツ連邦の盟主国)にそのような過去の統計があったならば・・・と嘆いていたように思う。
日本人も当時の大英帝国がおこなっていた「統計」の重要性に注目すべきであろう。