日本の労働者は奴隷と同じ
アダム・スミスのこの見解は、道筋こそ違うが現実は今の日本の労働者に当てはまる。
福利厚生の行き届いた奴隷の生産性が低いのは明らかであることは、前に述べらている。
日本人は、本当の意味での「自由人」でなければならない。
奴隷が創意工夫の才能を発揮することはまずない。
機器や道具、仕事の仕方や配分を改良して、
労働を容易にし節減する重要な発明は、
すべての自由人によるものである。
奴隷がこのような改良を提案しても、
主人はたいてい仕事を怠けようとしている証拠であり、
主人に費用を負担させて、仕事が楽になるようにしたいのだろうと考える。
提案した奴隷は報奨を得られるどころか、
まず確実に散々に罵倒され処罰すら受けかねない。
したがって製造業に奴隷を使った場合、自由人を雇った場合と比べて、同じ量の仕事に必要な労働量が一般に多くなるはずだ。
このため、奴隷を使った仕事は自由人の仕事より高くつくはずである。
国富論第四編第九章