コナンくんと絶対音感
https://ja.wikipedia.org/wiki/名探偵コナン_戦慄の楽譜
DTMF(Dual-Tone Multi-Frequency)
絶対音感を持つ二人の人間がいれば、プッシュフォンの複合音を作り出して電話がかけれるという。
しかし、このDTMLマトリックスの周波数は12平均率とは異なり整数値である。
12平均律の周波数の絶対音感がある場合、その周波数は性質上ルートが入るので整数値にはならないはず。
純正律の絶対音感があったとしても、周波数という「適当な数字」を「音波」として、自由に発声できるものなのだろうか。
少なくとも12平均律であれば、絶対音感があれば容易に発声できるだろう。
純正律と平均律の違いもわかれば、少なくとも12音付近の周波数の音でならば発声可能なのかもしれない。
また、調律師が基本の440Hzの音があれば、441や442はうなりの数でわかるように、一人が440やその倍音の音を出して、もう一人がうなりの数を数えて、「数学的」にDTMFの表にある周波数の音を出すことが可能かもしれない。
ピアノ調律師なら、12平均率付近の普段から聴きなれている周波数の音であれば、いきなり442Hzを出せといわれれれば出せるだろう。
ということは、プッシュフォンの複合音も、絶対音として普段から聴きなれて覚えている周波数だとすれば「たまたま」出せるだけなのかもしれない。
もしくは、DTMFの周波数を純音として正確に出さなくても、その付近の音程を出していれば、無意識でもDTMFの周波数が出ているので複合音として電話機の方が反応してくれるのかもしれない。
そのそも人間が、一定のサイン波の純音を一定時間出していること自体が難しいことのように思える。
音楽の世界では何かと「絶対音感」というものに対して、「音楽的」に信奉する傾向があるように思えてならない。
しかし、絶対音感というものは、どちらかといえば「音響工学」とその基礎になる「数学」の世界の話ではないだろうか。
もし、上記のように絶対音感というものが、「聴きなれた周波数の音を覚えることができる能力」だとすれば、次のようなことが言える。
かつて大晦日のNHK紅白歌合戦で、松田聖子がアイドル時代の名曲(何か忘れた)をキーを下げて歌っていたが、昔、その曲を何度も何度も聴いていた僕は、(声質は別にして)とにかく気持ち悪くてしょうがなかった。
往年のファンならおそらく同じ感覚を味わったと思う。
そしてもし、この歌声のキーが「オリジナルから何度下がっているか」を当てることができれば「絶対音感」の持ち主といえるのだろう。
僕の場合、もしかしたら当てれたかもしれないが、絶対音感は持っていない。
とはいえ、「相対音感」といっていいのかわからないが、CDなどでオリジナルを聴けば、それを基準に何度下げてあるか楽器など使わずに容易に当てることはできたはずだ。
しかし、当てたからといって何の意味もないのだ。12平均律半音でもキーを下げられたら、聴いていておそらく気持ち悪くてしょうがないだろう(紅白のキーもその程度だったのかもしれない)。
「松田聖子、歳をとって声がでなくなったんだな、アイドル時代の曲をそんな無理して歌わなくていいのに」
音楽的にはそういう結論で十分だと思っている。