スケール名の由来

Blog

Created with Sketch.

スケール名の由来

これは古代ギリシャで確立された教会音楽の旋法(音階)が発端です。

この元々の由来は、「古代ギリシャの地名(イオニアン=イオニア地方、フリジアン=フリギア地方)」や「○○人(ロクリアン=ロクリア人など)」のようなところから付けられているようです。「イオニアン=イオニア人」、「リディアン=リュディア人」も間違いではないと思います。またミクソリディアンも「南リディア地方」という意味になるようです。語源もギリシャ語で、それが英語で「リディアン」「ドリアン」と呼ぶようになったのです。

ということは、東京、大阪、名古屋、京都、北海道、東方、九州

7帝大の名前をつけてもいい

「しゃあ、今日は名古屋モードセッションしよう!」でもいい

音楽では旋律(旋法)が発生し「古代ギリシャ旋法」が確立しました。そこから西洋中世においてローマ・カトリック教会聖歌などで使われる「教会旋法」へと発達していきました。しかしこれは今で使われているスケール(モード旋法)とは違った使われ方がされています。(音階も若干違います)

「教会旋法」
第1正格旋法:ドリア旋法 (ドリアン)「レ ミ ファ ソ ラ シ(♭) ド レ」
第1変格旋法:ヒポドリア旋法 (ヒポドリアン)「ラ シ(♭) ド レ ミ ファ ソ ラ」
第2正格旋法:フリギア旋法 (フリジアン)「ミ ファ ソ ラ シ ド レ ミ」
第2変格旋法:ヒポフリギア旋法 (ヒポフリジアン)「シ ド レ ミ ファ ソ ラ シ」
第3正格旋法:リディア旋法 (リディアン)「ファ ソ ラ シ(♭) ド レ ミ ファ」
第3変格旋法:ヒポリディア旋法 (ヒポリディアン) 「ド レ ミ ファ ソ ラ シ(♭) ド」
第4正格旋法:ミクソリディア旋法 (ミクソリディアン)「ソ ラ シ ド レ ミ ファ ソ」
第4変格旋法:ヒポミクソリディア旋法 (ヒポミクソリディアン) 「レ ミ ファ ソ ラ シ ド レ」

※イオニアン(イオニア旋法)、エオリアン(エオリア旋法)、ロクリアン(ロクリア旋法)は非公式と定義されているようで、この旋法が教会旋法と定義されていたかは不明です。

これをジャズトランペッターのマイルス・デイヴィスが「教会旋法」を応用し、現在使われている「モード旋法(モードスケール)」を確立されたといわれています。(ただそれ以前のジャズでもコードスケールとしてモード旋法が存在していたようでこのあたりの発生源は不明です)

ちなみ余談ですが「音階」と「旋法」は別物なのです。古代や中世の音楽では12音平均律が確立されていなかったため「ドレミファソラシド」以外のメジャースケールを作ることができませんでした。つまりこのころの時代には調性(Key)が存在しなかったと考えられるのです。そこで「調性」に変わるものとして「旋法」が用いられたのです。また、「旋法」は「喜び」「悲しみ」などを音階で感情表現する手法としても用いられていました。今では「旋法」と「音階」は意味合いに大して違いがなくなり同じ解釈とすることも多いのですが、「旋法」は教会音楽のみならず、いろいろな音楽で用いられ大衆音楽、民族音楽など世界各国にいろいろな形の「旋法」が存在しています。私たちが普段使っている音階は、存在する「旋法」のほんの一部を使っているに過ぎないのです。

12平均律(黒)とピタゴラス音律(緑)の音程の比較
呼び方